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2006-09-24

『グロテスク』 / 桐野夏生

二人の娼婦が密入国者のチャンに殺される。
怪物的な美貌の持ち主のユリコ、
有名企業に勤めているけれどがさつで鈍い和恵。
三人の手記とユリコの姉の悪意たっぷりな語りで、
それぞれの人生をうかがい知る。

・・・どの話も近しいことを述べているけれど、
その真実はどこにあるのかは読み手の判断による。
「実際、こういうことってあるよね」って感じ。
何でもそつなくこなすミツルのわずかな台詞で、
ユリコの姉(←名前すら出てきてない・・・と思う。)
本当の姿が想像できるようになってる。
負の空気がグルグル渦巻いてるけど
読み応えのあるお話だった。

?読んでみる?

わたしの周りにはこんな「怪物たち」はいない。
でも鈍い子を見ていて歯がゆくなったり、
苛めて気分がスッキリしたり、
誰かに対してコンプレックスを持つことや
人に認められたいと思う気持ち、
迷いが生じて何かにすがりたくなる気持ちに
共感しながら読んだ。
たぶん他の人も、登場人物のどこかに
「その気持ち、わかるよ。」って思うんじゃないかな?
 
ついでに、「わたし、性格悪いな。」って思ったり(笑)


きっと誰もが「怪物」になる要素を
ちょっとずつ持って生きてるんだ。
ただ、みんな上手くバランスを取ってる。
だけどバランスの取れない人もいるんだよね。
人生って複雑だよ。。。

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コメント

はじめまして。
丁度私も先日「グロテスク」を読み終えたところだったので遊びに来てしまいました。
これって、話はグロいけれど、なんとなく「わかるよな」って感じですね。それが、桐野氏の硬質な文体でつづられているから、妙に小気味よくて一気読みしちゃいました。
続けて「残虐記」や「I’m sorry,mama.」も読んだので、暗黒ワールドです。でも面白かった。

投稿: たま | 2006-09-25 14:18

たまさん、はじめまして。
「なんとなくわかるよな」仲間がいて、ほっとしました(笑)
もしやわたしだけが、このグロい人間関係の一部に
わかる部分があったらどうしましょう?と思っていたんです。

桐野氏の小説は、今回初めて手にしました。
小気味がよい、まさにそれですね!
賛否両論ある『残虐記』も読んでみたいです。
暗黒ワールドに入る前に、ちょっと心を暖めてから
チャレンジしてみます。

投稿: schokos | 2006-09-25 23:56

またまた失礼致します。
コメントありがとうございました。
桐野氏の作品は「グロテスク」が初めてなんて・・・よかったのか悪かったのか・・・。
私は彼女の作品が好きで結構な数を読破しているのですが、「グロテスク」まで話がグロくなくて、でも、ちょっとハードボイルドで格好よい女性が主人公の「顔に降りかかる雨」や同じシリーズの「天使に見捨てられた夜 」が好きです。何度も読んで愛読書です。
もし、桐野氏の作品が気に入って、「でも、ここまでグロくないのはないのか?」と思われたら、お勧めします。(大きなお世話)
また遊びに来させて頂きますね!

投稿: たま | 2006-09-26 00:53

こちらこそコメントをありがとうございます★
全てがあの調子ではないのですね。
ん~、毎日グロいことを考えていたら、
作家さんもきっと参っちゃいますもんね(?)

これから秋の長雨の季節に入りますから、
読書にはもってこいです。
いろいろな本を読んでみます。
「この作家が好き!」と思うとなかなか浮気しないので、
たまさんのお勧めは嬉しいかぎりです。
世界が広がりますから。

投稿: schokos | 2006-09-27 20:22

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